「えっ!」
あたしは、持っていた携帯電話を落としそうになる。
「そ、それで……」
声が震えて、言葉が思うように出てこない。
「り、りく君の様態は……?」
あたしは、やっとの思いで声を出した。
「外せない仕事があってー、まだ、会社なんだ。悪いが、琴音ちゃん。私の代わりに、病院へ行って、様子を見て来てくれないかな?」
「あたしがですか……?」
「頼むよ。金森には頼んではあるんだが、まだ、連絡がなくてね」
心配しているおじさんの顔が、目に見えるようだ。
「わかりましたー。あたしで、よければ」
「ありがとう!じゃあ、今すぐ運転手に車を回させるから。まだ、学校かな?」
「学校の帰り道で……」
あたしが、場所を伝えると、運転手さんが迎えに来てくれた。
「旦那様から、琴音様のご自宅までお連れするようにとのことですので、帰るさいはお声をかけてください」
病院へ到着すると、運転手さんが丁寧に声をかけてくれた。
「有り難うげざいます!」
あたしは、深々とお辞儀をすると、急いでりく君がいる病室へ向かった。
「ここだ……」
病室の前まで行くと、あたしは立ち止まった。
