フィンセはナンバー1


 どうやら、今度は、プレーイボーイの役らしい。


「そ、そんなの信じられるわけないでしょー!」

「美夏とは、訳あって期限つきで、付き合っているだけなんだ」


「……」


 期限付きってー、何だか、あたしと南君みたいだ。


「あいつと付き合い始めたんだってー?」

 急に、りく君がセリフを言うのをやめて、あたしを見た。

「南君のこと言ってるのー?」

「そうだけど?でも、良かったな……。婚約断って。父さんは納得していないみたいだけど」

 りく君は、苦笑いすると、ベンチから立ち上がった。

「……」


 本当は、できることなら、断りたくなかった。


「ま、誰と付き合おうが、俺には関係ないことだしなー」

 りく君は、あたしに背を向けると、歩き始めた。


 そう言っている、りく君の背中が、寂しそうに見えるけど、きのせい?




 それから、南君と付き合い始めて、一週間目になろうとしていた。

「坂口さん。一緒に昼飯食べないか?」

 昼休みー。

 南君が、購買で買ったパンを片手に、あたしを誘いに来た。

 未来とお弁当を食べようと、お弁当を広げようとしていたあたしは、一瞬、手が止まる。