フィンセはナンバー1


 あたしは、慌てて首を振る。

「……」

 急に南君は、黙ってあたしを抱き締めた。

「南君……?」

「やっぱり……、坂口さんのこと諦めきれない」

「え……」

「りくはやめとけよ。彼女いるのにー。それなのに、あいつ……」

 南君のあたしを抱き締める腕に、力が入った。

「……?」

 南君ー。どうしたんだろう?

「ごめんー。何でもない……」
 南君は、あたしから離れると、立ち上がった。

「……?」

 何だか、南君の様子がおかしいー。


「坂口さん。頼みがあるんだ。一週間でいいから、俺と付き合ってくれないかな?」

 南君は、急に真剣な顔で言った。

「えっ!」

「俺のこと、少しでも嫌いじゃないなら、彼女になって」

「……」


 南君のことは、嫌いじゃないけどー。


 南君が、あまりにも真剣に頼むから、一週間だけならと言うことで、OKしてしまった。


「これで、確かめられるー」

 南君は、嬉しそうに喜んでいたけど、ボソッと呟いた。

「……?」

 何を確かめるんだろうー?


 保健室に来てから、やっぱり、南君の様子が、おかしいー。

 その理由は、後日、知ることになるー。