「そんなこと、一言も言わなかったじゃないか。それに、なんだこの写真は……?」
おじさんは、りく君と穂乃花ちゃんがキスしている写真を見て、言葉を詰まらせた。
「あいつが、勝手にやったことだし、父さんには関係ないだろ。それに、付き合ってたのはデビューしたばっかりの頃だし」
勝手にって……。そんなに、何回もキスされるの……?
りく君も、穂乃花ちゃんと復縁するの嫌じゃないから、キスされるままなんじゃ……?
「陸斗、自分の気持ちをはっきり言わないか!じゃないと、琴音ちゃんが可哀想だ」
おじさんは、少し強めの口調で言った。
「俺はー」
りく君が、何か言おうとしたけど、あたしが先に口を挟んだ。
「お、おじさん。陸斗君を困らせないで……。だから、婚約のことは、なかったことにしてください!」
「し、しかしー。琴音ちゃん!」
おじさんは、慌てた顔であたしを見たけど、あたしは、頭を下げると部屋から出た。
これでよかったんだ……。
りく君だって、好きな人との方がいいに決まってるよね……?
翌日から、りく君は仕事で何日か学校へ来ない日が続いた。
