フィンセはナンバー1


「そんなこと、一言も言わなかったじゃないか。それに、なんだこの写真は……?」

 おじさんは、りく君と穂乃花ちゃんがキスしている写真を見て、言葉を詰まらせた。

「あいつが、勝手にやったことだし、父さんには関係ないだろ。それに、付き合ってたのはデビューしたばっかりの頃だし」


 勝手にって……。そんなに、何回もキスされるの……?

 りく君も、穂乃花ちゃんと復縁するの嫌じゃないから、キスされるままなんじゃ……?


「陸斗、自分の気持ちをはっきり言わないか!じゃないと、琴音ちゃんが可哀想だ」

 おじさんは、少し強めの口調で言った。

「俺はー」

 りく君が、何か言おうとしたけど、あたしが先に口を挟んだ。

「お、おじさん。陸斗君を困らせないで……。だから、婚約のことは、なかったことにしてください!」

「し、しかしー。琴音ちゃん!」

 おじさんは、慌てた顔であたしを見たけど、あたしは、頭を下げると部屋から出た。


 これでよかったんだ……。

 りく君だって、好きな人との方がいいに決まってるよね……?



 翌日から、りく君は仕事で何日か学校へ来ない日が続いた。