フィンセはナンバー1


「……」

 確かに、そうかも知れない。
 撮影の日、南君のことで妬いてくれてるのかなーなんて、一瞬、思ったこともあったけど、勘違いだったのかも知れない。

 婚約のことだって、穂乃花ちゃんみたいな人がフィアンセの方が、きっと、りく君にとっては嬉しいことなのかもー。



 その日の夕方。

 りく君のお父さんから、電話をもらった。

 内容は、りく君のことで、話があるらしい。

 会社帰りに家まで、迎えに来てくれて、りく君の家へ向かった。



「本当に申し訳ない!陸斗が、あんなことして」

 家に到着すると、今まで黙っていたおじさんが、深々と頭を下げた。

「あ、あの……。おじさん、頭を上げて」

 あたしは、困った顔で、おじさんを止めさせた。

「琴音ちゃんがいるのにー。陸斗は何を考えているんだか」

 おじさんは、溜め息をつく。

「りく君、言ってましたー。あたしが、フィアンセだなんて認めないって……」

「何だってー?陸斗の奴、琴音ちゃんにそんなこと言ったのか……。」

「穂乃花ちゃんと付き合ってるから、そう言ったのかも……」

 また、あたしの胸が、チクンと痛くなる。