フィンセはナンバー1


 あたしは、放心状態で写真を見つめることしかできなかった。


「坂口さん。おはよー。どうしたの?」

 登校して来た南君が、あたしの持っている雑誌を覗き込んだ。

「この記事かー。今朝も、テレビで報道されてたなー」

 南君が、思い出したように、あたしの横で言った。

「……」

 知らず知らずのうちに、あたしの目から涙が溢れてきた。

「坂口さんー。泣いてるの……?」

 南君が、驚いた顔をしていたけど、気を使ってくれて、あたしの手を引いて教室から連れ出してくれた。



 誰もいない屋上で、南君は、しばらく沈黙したまま隣に座ってくれていた。

「ごめんね。南君……」


 段々と、落ち着きを取り戻したあたしは、南君にお礼を言った。

「……坂口さん。もしかして、好きな人って、りくのことなのか?」

「……」

 バレてしまったのは仕方がない。

 あたしは、小さく頷いた。

「やっぱり、そうなのか……」

 南君は、キュッと唇を噛み締めた。

「ごめんね……。黙ってて」

「相手がりくなんて、思いもしなかったなー。でも、相手は芸能人だし、坂口さんのことなんて、相手にしてくれないんじゃないのか?」