フィンセはナンバー1


 帰り道ー。

 約束通り、南君と2人で帰ることにしたけど、断るのにこんなに勇気が、いるなんて思わなかった。

「あ、あのね。南君ー」

 何故か、目を逸らしてしまう。

「あたし……。好きな人がいてー。だから、南君とは付き合えない」

 やっとの思いで、声を出す。

「俺の知っている人かな?」


「……」

「あ、別に言いたくないなら、言わなくてもいいけど」

「ごめんね……」


 あたしは、すまなさそうに、南君を見た。


 でも、後日、りく君を好きなことが、南君にバレることになるなんて思ってもいなかった。



「週刊誌見た?」

「見た!ショックだよねー」

 2、3日過ぎた、ある日のこと。

 朝の教室の穏やかな風景が、ざわめきに変わっていた。

「みんな、どうしたの?」

 自分の机に鞄を置きながら、前の席に座っていた優奈に聞いてみた。

「おはよー。琴音は、まだ見てないの?」

 優奈が、あたしの前に雑誌を広げて見せた。

「……!!」


 そこには、『三浦陸斗。西本穂乃花と熱愛発覚!!』と、書いてあった。

 誰もいない公園で、2人がキスしているところが、大きく写真を撮られていた。