2人のやり取りを見て、あたしの胸がギューッと締め付けられた。
校舎の中へ戻ると、撮影の器具など、すっかり、後片付けしてあった。
「今日は、みなさんお疲れ様でした!」
スタッフが、みんなに声をかけた。
「これからも、りくのこと応援、宜しくお願いします!」
学校のみんなは、わーと歓声を上げた。
りく君の方は、次の仕事で先に帰ったらしい。
「はぁー」
りく君と穂乃花ちゃんのことを思い出すと、胸が苦しくなって、つい溜め息が漏れてしまった。
「どうしたの?坂口さん。溜め息なんかついて」
南君が、心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
「な、何だか疲れたなと思って……」
あたしは、慌てて苦笑いをした。
「確かにー。緊張疲れしたかもな」
「本当、緊張したよねー」
「坂口さん。今日、一緒に帰らない?告白の返事、やっぱり今日欲しい」
南君が、真剣な顔で言った。
「うん……」
テレビの中だけじゃない。実物のりく君も好きだって気づいて、こんな気持ちで、いつまでも南君に返事をしないのは、申し訳ない。
きっぱりと、断ろうー。
