そんなりく君に、妬いてもらえるなんて夢みたいだ。
「言っておくけど、妬いてるわけじゃないからな。別に、そっちが誰と付き合おうと、俺には関係ないことだしな」
「べ、別にー。南君は彼氏ってわけ……」
彼氏じゃないことを言おうとした時だった。
「りく!こんな所にいたんだ」
穂乃花ちゃんが、走ってくるのが見えた。
「マネージャーが、りくのこと捜してたよ」
穂乃花ちゃんは、後ろからりく君に抱きついた。
「わかった」
りく君は、ベンチから立ち上がる。
「誰?この子」
穂乃花ちゃんが、くりっとした目であたしの方をチラッと見た。
「俺のファンなんだってさ」
「ふーん。仲良さそうにしてたから、てっきり、知り合いなのかと思った」
「仲良さそうって、こいつとか?」
りく君は、ふっと鼻で笑う。
「ファンに、こいつって呼んだー。怪しい……」
「考えすぎだって。ほら、行くぞ!」
りく君は、穂乃花ちゃんを促して歩き出した。
「あ、待ってよ、りくー!」
穂乃花ちゃんは、りく君を追いかけると、腕を絡ませた。
りく君は、穂乃花ちゃんと何か一言、話すと穂乃花ちゃんの髪をくしゃとした。
