「俺がフィアンセだって、認めないんじゃなかったのか?」
「そっちこそー。でも、どうして、あたしと婚約したがらないのかわかったけど……」
あたしの胸が、チクンと痛む。
穂乃花ちゃんとのことを知ってから、胸の辺りが苦しい。
「どういうことだよ?」
「ほ、穂乃花ちゃんが彼女だから、あたしとは婚約できないんでしょ?」
「穂乃花が?」
「だって、あたし見たんだからー。2人がキスしているところ!」
あたしは、ついムキになってしまう。
「あいつが、勝手にしたことだろ」
りく君は、平然とした顔で言った。
「よく、平気な顔でそんなこと言えるよねー。あたしだったら、本当に好きな人としかしない」
「あの、彼氏とかー?随分、仲良さそうだったよなー。だから、婚約も拒否してたのかぁー」
「ち、違う!南君は、彼氏とかじゃないもの」
「ふーん。彼氏でもないのに、手をつなぐんだー」
りく君は、不機嫌そうに、あたしを見た。
もしかして、妬いてくれてるのー?
りく君の前では、素直になれない自分がいるけど、出逢う前は、テレビの中のりく君に、恋していた。
