フィンセはナンバー1


「俺がフィアンセだって、認めないんじゃなかったのか?」

「そっちこそー。でも、どうして、あたしと婚約したがらないのかわかったけど……」

 あたしの胸が、チクンと痛む。


 穂乃花ちゃんとのことを知ってから、胸の辺りが苦しい。


「どういうことだよ?」

「ほ、穂乃花ちゃんが彼女だから、あたしとは婚約できないんでしょ?」


「穂乃花が?」

「だって、あたし見たんだからー。2人がキスしているところ!」

 あたしは、ついムキになってしまう。

「あいつが、勝手にしたことだろ」

 りく君は、平然とした顔で言った。

「よく、平気な顔でそんなこと言えるよねー。あたしだったら、本当に好きな人としかしない」


「あの、彼氏とかー?随分、仲良さそうだったよなー。だから、婚約も拒否してたのかぁー」

「ち、違う!南君は、彼氏とかじゃないもの」

「ふーん。彼氏でもないのに、手をつなぐんだー」

 りく君は、不機嫌そうに、あたしを見た。


 もしかして、妬いてくれてるのー?


 りく君の前では、素直になれない自分がいるけど、出逢う前は、テレビの中のりく君に、恋していた。