「み、南君ー。あたしは、いいから先に帰って。じゃないと、南君が、みんなに誤解されちゃう……」
あたしは、立ち止まると、すまなさそうに言った。
「俺は、誤解されても構わない」
「え……?」
あたしは、ドキンとする。
「俺、本当は隣の席になる前から、坂口さんのこと、いつも、気になってたんだ」
全然、知らなかったー。
南君の周りには、いつも人が集まっていて、あたしのことなんて、気にもとめていないのかと思ってたのにー。
「あの、南君……」
あたしは、何て言ったらいいのか、言葉に詰まった。
「それでー、いつの間にか、坂口さんのこと好きになっててー。良かったら、俺と付き合わないか?」
「……!!」
突然の告白に、あたしは呆然としてしまった。
「すぐには、返事はいいから、考えといてくれないかな?」
「……」
あたしは、ただ頷くことしかできなかった。
「りく君のドラマのロケ。うちの学校でやるんだって!」
翌日ー。
学校へ行くと、りく君が出演している、今話題のドラマ「ラブスクール」のロケを、うちの学校でやると話題でもちきりになっていた。
