フィンセはナンバー1


「お疲れ!」

 写真を撮り終わると、未来はあたしの耳元で囁いた。

「後は、何とかみんなにごまかしておくからー。2人でごゆっくり!」

「み、未来ー!!」

 あたしは、顔を真っ赤にして未来を見たけど、未来はさっさと屋上から出て行ってしまった。


 あたしは、溜め息をつきながら、直也君に借りたジャンパーを着ようとした。

「琴音ー。それ、あいつのに借りたのか?」

 りく君は、直也君のジャンパーへ目をやった。

「うん……」

「着るなよ……」

 りく君が、急にムスッとした顔をさせた。

「直也君は、あたしが風邪引かないようにって貸してくれただけ……」

 あたしが、説明している時だった。りく君があたしの腕を掴むとグイッと引き寄せた。

「りく君ー?」

 りく君に抱き締められたと同時に、ジャンパーがバサッと地面に落ちた。

「あいつのは借りるなよ……」

「ど、どうして……?」


 また、直也君の話になったら、りく君の様子がおかしい。


「俺が嫌なんだー!」


 何だか、やきもちを妬いているみたいだー。

「あいつと別れて、もう一度、俺のフィアンセになってくれないか?」

「えっ……?」