直也君は唖然とした顔で、あたしを見た。
「ごめん……直也君。未来が、この衣装を着てって言うものだから……」
「ふーん?」
直也君は、少し首を傾げた。
未来は、仕事が終わってからでいいからって言ったのに、何故か、今のほうがいい気がして、つい着替えてしまった。
でも、もう季節は秋。外に行くには、この格好では少し肌寒い。
「ごめん、今すぐ着替えるから……」
あたしは、急いで制服に着替えようとした。
「いいよ、そのままでー。これ、着てろよ」
そう言って、直也君はあたしにジャンパーをかけてくれた。
「い、いいよ!すぐ、着替えるからー」
あたしは、ジャンパーを直也君に返そうとした。
「俺が、着ててほしいんだー。ごめん……俺達、別れたのに元カレのジャンパーなんて着たくないよな……」
直也君が、少し淋しそうな顔で言う。
「そ、そんなことないよ……ただ、別れたのあたしが原因なのに、こんな事までしてもらう、資格がないって言うか何て言うか……」
あたしは、言葉に詰まって俯いた。
「じゃあ、友達としてならいいだろ?琴音が風邪を引くと心配だしなー」
何て優しいだろう。
