フィンセはナンバー1


 教室の近くまで行くと、先生方が予想していた通り、長い行列ができていた。


 これじゃ、遠くから見るどころか、全然見えやしない。


 あたしは、仕方なく教室を離れようとした時だった。

「……!!」

 目の前に、首にカメラをぶら下げ、キョロキョロしながら歩いている、怪しそうな男の人が目に入った。


 待って、何処かで見たことがあるような……?

 あたしは、この前、正門にいたカメラマンを思い出した。


 あの時は、帽子をかぶっていたけど、あのカメラマンに間違いない!


 カメラマンは、段々とこっちに歩いてくる。

 このままだと、まずいなー。でも、この行列に紛れ込みながら、通り抜けて向こうに行けば、気づかれずにすむかも知れない。


 あたしは、行列ができている間に、紛れながら通り抜けようとした。

「何よ、あなた。割り込むつもりなの!?」

「ち、違います。ごめんなさい!通してください」

 あたしは、並んでいる子達に謝りながら通してもらって、カメラマンに目につかない屋上へと移動した。


 今日は、屋上の出入りは立ち入り禁止なので屋上へ入る人は誰もいなかった。


 あたしは、一息ついた。