フィンセはナンバー1


「うんー。直也君も交替の時間だよね?」

「それがさー。りくが来ると、騒ぎになるからって、先生はもちろん、手が空いた男子も警備をやるようにって学年主任の命令なんだ……」
 直也君は、大きな溜め息をつく。

「そうなんだ……」


 りく君が、こっちに来ている間は、一緒にいないって、先生とも約束したし、いつまでもここにいたら、まずいよね……?

 未来も忙しいみたいだし、あたし、独りで回って来ようかな……。


 あたしは、とぼとぼと歩き始めた。


 ぼーとして歩いていたら、知らないうちに、2年生の校舎まで来てしまっていた。

 まだ、りく君いるかな……?

 あたしは、りく君の教室を覗いてみた。

 男子はみんな、メイド服に髪にはウイッグをつけていて、りく君の時みたいに、美少女に見える人と見たくない人と色々。

 でも、教室の中を見たけど、りく君の姿は何処を捜しても見つからなかった。


 もう、うちのクラスに行ったのかな?


 あたしは、また、とぼとぼと歩き出す。


 りく君と一緒にいないのが条件でも、遠くからなら、少しだけ見てもいいよねー?


 そう思ったら、あたしの身体は教室へ向かっていた。