「木浦が想像してることは、何もないからな」
「なぁーんだ。それもそっかー、別れたんだもんな」
木浦君は、残念そうに看板にペイントを塗り始めた。
文化祭の準備も順調に進んで、いよいよ当日ー。
「琴音ー!この衣装、ここでいい?」
未来が、何種類かの衣装を持って来た。
「うん、そこにお願い!」
お客さんが着てもらう衣装は、演劇部から借りてきたものがほとんどだけど、クラスの子達が着るのは、未来やお裁縫が得意な子が、手間暇かけて衣装の用意をしてくれた。
ちなみに、あたしのというと、白雪姫の衣装かなー?
髪も内巻きにカールしてもらって、いつもと雰囲気が違くなる。
これなら、あの記事を見た人がいても、あたしだってばれないかな……?
みんな、衣装に着替えて、準備万端だ。
「お客さん、来たよー!」
呼び込み専門の直也君が、他校の女子を2、3人つれて来た。
「りくと記念撮影が、できるって看板に書いてあったのを見て来たんだけど、本当ですかー?」
その子達が、入ってすぐ、独りの子が聞いてきた。
すかさず、クラスの子が、
「本当です!りくと撮影できる時間は……」
