「直也君……」
「琴音ー」
直也君が、ホッとさせながらあたしを見る。
「ごめんね、待っててくれたんだー?」
「何か、琴音がさらわれたような気がして、ずっと捜してた……」
確かに、急に直也君の前で連れて行かれたんだもの、そう思うのも無理はない。
「ごめんね、心配かけて……」
「俺が勝手にしたことだから……。それより、もしかして、さっきの女の子って、りくだったのかー?」
「うんー」
あたしは、苦笑いをしながら頷いた。
「あはは……!やっぱりかぁー」
直也君は、可笑しそうに笑った。
「直也君、笑いすぎ……」
あたしはまた、苦笑いをする。
「それで、りくと何か話したのか……?」
「別に……文化祭に出られるようになったから、りく君にお礼言っただけだけー」
「ふーん。俺と別れたことでも話したのかと思った……」
「……」
りく君は、あたしと直也君が別れたこと知ってるのかな……?
「2人とも遅いー!」
教室へ戻ると、ペイント係りの木浦君が待ちくたびれていた。
「ごめん」
すぐに、直也君はペイントを木浦君に渡した。
「それで、2人で何やってたんだよ?」
