フィンセはナンバー1


「直也君……」

「琴音ー」

 直也君が、ホッとさせながらあたしを見る。

「ごめんね、待っててくれたんだー?」

「何か、琴音がさらわれたような気がして、ずっと捜してた……」


 確かに、急に直也君の前で連れて行かれたんだもの、そう思うのも無理はない。


「ごめんね、心配かけて……」

「俺が勝手にしたことだから……。それより、もしかして、さっきの女の子って、りくだったのかー?」

「うんー」

 あたしは、苦笑いをしながら頷いた。

「あはは……!やっぱりかぁー」

 直也君は、可笑しそうに笑った。

「直也君、笑いすぎ……」

 あたしはまた、苦笑いをする。

「それで、りくと何か話したのか……?」

「別に……文化祭に出られるようになったから、りく君にお礼言っただけだけー」

「ふーん。俺と別れたことでも話したのかと思った……」

「……」


 りく君は、あたしと直也君が別れたこと知ってるのかな……?




「2人とも遅いー!」

 教室へ戻ると、ペイント係りの木浦君が待ちくたびれていた。

「ごめん」

 すぐに、直也君はペイントを木浦君に渡した。

「それで、2人で何やってたんだよ?」