「署名運動って言っても、時間の関係で、金森にも手伝ってもらって、チラシ作って机の中に入れただけだけどな……」
「……」
金森さんに手伝ってもらったって言っても、全校生徒でしょ!?ハンパな量じゃないよね?
「まあ、とにかく良かったな」
りく君が、ポンとあたしの頭に手をやった。
「あ、あたし、そろそろ行かないと……。急に、りく君に連れて来られて、直也君のこと、置いて来ちゃったんだー」
あたしは、慌てて倉庫室から出て行こうとした。
「行くなよ……。せっかく、あいつからつき離したのに」
「え……」
あたしは、りく君の方を振り向いた。
「悪い……。今、言ったこと忘れてくれ。文化祭の準備の途中なんだろ?行けよー」
りく君は、背を向けたまま言う。
「……」
あたしは、ためらいながら倉庫室を出た。
音楽室で、写真を撮られた時もそうだったけど、あの時も急に、りく君の様子がおかしくなったことを思い出す。
文化祭の時、話があるって言っていたけど、りく君が様子がおかしくなること、関係あるのかな……。
教室へ戻ろうと、とぼとぼと歩いていると、直也君が心配そうな顔で待っていた。
