「あーあ。何か俺、カッコ悪いなー。琴音が好きな男の所に、連れて行こうと思っているなんて。まだ、好きなら、捕まえておくべきなんだろうけど」
直也君は、立ち止まると窓の外を見上げた。
「直也君が、カッコ悪いなんて、一度も思ったことないよ」
「いいよ、慰めてくれなくてもー」
直也君は、がっかりした顔で、溜め息をついた。
「別に、慰めてるつもりじゃー」
本当にそう思っている。
直也君は、いつもあたしのこと助けてくれて、あたしには、もったいないくらいの最高の彼氏だった。
しんみりした雰囲気になりかけた時だった。
「りくー!何処ー?」
遠くの方で、大勢の女子が、りく君を呼んでいる声が聞こえてきかと思うと、目の前にメイド服を着た美少女が現れた。
「ちょっと、来て!」
美少女は、あたしの腕を掴むと走り出した。
「琴音ー!?」
直也君が、驚いてあたしの名前を呼んだけど、美少女に腕を引かれながら、無我夢中で走っていた。
「はあはあ……」
結局、また倉庫室に戻ってきてしまった。
「中に入るぞ!」
美少女は、あたしを倉庫室の中へ連れ込んだ。
「りくー!何処に行ったのよ」
