フィンセはナンバー1


 確かに、自分で何とかするっとは言ってたけど……。あたしのことを思って、してくれたなら、こんな嬉しいことはない。

「琴音、良かったな。あいつのためにするのも、しゃくだけど、琴音のために署名して持って行った」

 直也君も、あたしと未来の会話を聞いて、入って来た。

「でも、あいつの顔見るのも嫌だから、友達に頼んで持ってかせたんだけどな……」

 直也君は、子供みたいに、ムスッとした顔をさせた。

「ありがとう、直也君……」


 そう言われると、何だか少し、気まずい……。

「で、でも。とりあえず、良かった良かった!」

 未来が、場を取りまとめようと、明るくそう言った。


 直也君とは、普通に話せるようになったものの、時々、気まずくなる時があって、どうすればいいのか、わからなくなるんだよね……。


 あたしは、小さな溜め息をついた。





 文化祭も明後日に近づいて、学活の時間や放課後を使って、みんな慌ただしく準備に取りかかっていた。

 ペイントがなくなって、直也君が職員室に取りに行っている間に、

「坂口さーん!、ガムテープなくなったんだけど」

「琴音ー!模造紙貼るのここでいいの?」