フィンセはナンバー1


 仕方ない……。

 せっかく、りく君が署名運動をしてくれたんだもん。

 文化祭に出られるようになっただけでも、感謝しなきゃー。


 教室の中へ入ると、先生との話を聞いていたのか、未来が嬉しそうな顔させながら、あたしを待っていた。

「琴音、文化祭に出られるようになって、よかったねー!」

「りく君のお陰なんだけどねー」

「そう言えば、あたしの机の中に、署名運動の紙が入っていたから、署名して、りくに持って行ったんだったー」

 思い出したように、顎に手をやった。

「机の中に?だから、りく君が署名運動しているところ、見かけなかったんだ……」


 多分、仕事が忙しくて、配っている時間がない中、机の中に入れるだけが精一杯だったのかもー。


「署名運動の紙を机の中に入れるだけとはいえ、琴音の為に、ここまでするなんて、もしかしたら琴音のこと……」

 未来が意味ありげに、あたしを見る。

「り、りく君。写真を撮られたことで、文化祭に出られなくなったこと、責任を感じてただけだよ……」

「そうかな?責任、感じただけで、トップスターが、そこまでするかなー?」

 未来は、少し首を傾げた。

「……」