「良かった。じゃあ、衣装も無駄にならなくてすむんだー」
未来がホッとしながら、買ってきたジュースを飲み干した。
りく君、文化祭に参加できるようになったんだ……。
「坂口!ちょっと来てくれ」
先生が、教室に顔を出した。
「ちょっと、琴音。何かしたの?」
未来が心配そうに、あたしを見た。
「さぁー?ちょっと、行ってくる……」
あたしは、首を傾げると、廊下へ出た。
「喜べ、坂口!文化祭の日は、自宅待機と言ったが、参加できるようになったぞ!」
先生は嬉しそうに、あたしの肩をポンと叩いた。
「本当ですか!?」
あたしは、嬉しさのあまり、声が高くなってしまう。
「ああ!三浦が独りで、全校生徒に署名運動をして、校長先生に掛け合ってくれたからな」
「え……」
りく君、独りで署名運動を……?
あたしの胸が、キューンとしてしまう。
「参加させる方が、多かったんだけどなー。でも、一つだけ条件付きでな」
「条件付き?」
「三浦が、うちのクラスに手伝いに来ている時は、坂口は休憩に入ってもらうのが条件だ」
「……」
要するに、一緒にいると、騒動になる恐れがあるから?
