フィンセはナンバー1


「良かった。じゃあ、衣装も無駄にならなくてすむんだー」

 未来がホッとしながら、買ってきたジュースを飲み干した。

 りく君、文化祭に参加できるようになったんだ……。


「坂口!ちょっと来てくれ」

 先生が、教室に顔を出した。

「ちょっと、琴音。何かしたの?」

 未来が心配そうに、あたしを見た。

「さぁー?ちょっと、行ってくる……」

 あたしは、首を傾げると、廊下へ出た。

「喜べ、坂口!文化祭の日は、自宅待機と言ったが、参加できるようになったぞ!」

 先生は嬉しそうに、あたしの肩をポンと叩いた。

「本当ですか!?」

 あたしは、嬉しさのあまり、声が高くなってしまう。

「ああ!三浦が独りで、全校生徒に署名運動をして、校長先生に掛け合ってくれたからな」

「え……」


 りく君、独りで署名運動を……?


 あたしの胸が、キューンとしてしまう。


「参加させる方が、多かったんだけどなー。でも、一つだけ条件付きでな」

「条件付き?」

「三浦が、うちのクラスに手伝いに来ている時は、坂口は休憩に入ってもらうのが条件だ」

「……」

 要するに、一緒にいると、騒動になる恐れがあるから?