フィンセはナンバー1


 りく君と、校舎裏で別れて教室へ行くと、自分の席に座った。

「琴音、おはよう」

 隣の席で直也君が、あたしに挨拶をした。

「お、おはよー。直也君……」

 良かったー。
 昨日は、話かけても、喋ってくれなかったから、少し、教室に入りづらかったけど、直也君は前と変わらず、挨拶してくれた。


「直也ー!どうしたんだよ?最近、坂口さんと一緒にいないけど」

 安心したのもつかの間、直也君の友達の萩原君が、探りを入れてきた。

「俺達、別れたんだー」

 直也君が、迷いもせず、はっきりと応えた。

「な、直也君ー!」

 直也君が、正直に言うと思わなかったから、あたしは、慌ててしまった。

「何だよ、お前ら別れたのか!?」

 萩原君は驚いて、大きな声で叫んでいた。

「坂口さんと直也が別れたみたいだぜ!」

「何、何ー?琴音と直也君、別れたの!?」

 クラスの男子や女子も、あたしと直也君に詰め寄って来た。
「え……」

 あたしはつい、うろたえてしまう。

「やっぱり、りくが原因?」


 みんなが、あれこれ聞いてくるけど、

「りくは、関係ない」

 と、直也君が応えると、後は、適当に対応してくれた。