フィンセはナンバー1


 でも、塀から飛び降りる時、足を滑らせてりく君の上に落ちてしまい、尻もちをついてしまった。

「いたた……」

「ご、ごめん。大丈夫!?」

 あたしは、慌てて、りく君の顔を覗き込む。


 ドキン!!

 りく君の顔が、思ったより近くて、あたしの心臓の鼓動が速くなる。


「琴音……」

 りく君が、あたしの名前を呼ぶ。


 名前で、呼んでくれた……。

 今度は、キューンとしてしまう。


「文化祭のこと、聞いたよ。俺のせいで、出られなくなったんだって……?」

「……」

 あたしは、何て言っていいかわからず、言葉を詰まらせた。

 急に、りく君は、あたしを優しく抱き締めた。

「ごめん。困らせてばかりで……。出られるように、俺が何とかするからー」

「……」


 何とかするって……。どうするつもりだろう?


「それで、後夜祭の時、琴音に話たいことがあるから……」

 りく君は、真剣な瞳であたしを見た。

「でも、後夜祭まで出られないんじゃ…?」

「今、記事のことでばたばたしてるから、撮影は延期になったんだ」

「えっ……」


 そうだったんだ……?

でも、話ってなんだろう……?