笑いながら、おじさんはそう言った。
親子で、どうしてこうも違うんだろう。
「さ、遠慮なく召し上がりなさい」
次々と、美味しそうな料理が運ばれてきた。
「じゃ、遠慮なく……。頂きます」
「琴音ちゃんは、素直だねー。美味しそうに食べるし」
おじさんは、あたしの食べている姿を見て、満足そうな顔をした。
「あまり、見られると恥ずかしいです……」
あたしは、思わず俯いてしまう。
「陸斗も、琴音ちゃんくらい素直ならいいんだけどねー」
それは言えてる。あいつ、根性がひねくれてるもん。
「その、陸斗だけどー。明日から、琴音ちゃんの学校に転入することになったから、一つ面倒見てあげてくれないかな?」
やっぱり、転入してくる話は本当だったんだ……。
「あたしがー?学年も違うし……。それに、陸斗君なら他に面倒見てくれそうな人、沢山いると思いますよ……」
「確かに。今は、いろんな仕事をしているせいか、人が集まってくるかも知れない。でも、陸斗にとっては表向きの顔で、そろそろ疲れが出てくると思うんだ」
「……」
確かに、素があれじゃ、表向きでは自分を抑えているに違いない。
