フィンセはナンバー1


 事務所の社長が、会見を打ち切るように、記者の人達に言うと、りく君達は席を立った。

「りく君!ファアンセだった方とは……」

 記者の人達は、まだ、質問したいみたいで、叫んでいる所で、CMに変わってしまった。


 あたしは、テレビを消す。


 学校で、穂乃花ちゃんとは付き合っていないって、言っていたの本当だったんだ……。


 心臓の鼓動がドキンと波打った。




 翌日、学校へ行くと、記者会見をしたせいか、マスコミの姿はなかった。


 ここのところ、マスコミがいて、正門から自由に入れなかったから、びくびくせずに、入れるなんて、何て快適なんだろう。


 あたしが、堂々と正門から入ろうとした時、カメラを首にかけて帽子をかぶった男の人が、こっちをじっと見られているのに気がついた。


 もしかして、カメラマン!?

 あたしは、顔を背けると急いで、昇降口まで走って行こうとしたけど、怖くて足がすくんで動けないでいた。


 すると、一台の車が、正門の前に停まると、りく君が顔を出した。

「早く、乗れ!」

 あたしは、りく君の呼びかけに、夢中で車に乗り込んだ。


「ありがとう、助けてくれて……」