フィンセはナンバー1


「りく君!?スクープ記事のことだけど、写真に写っていた女の子とファアンセだったって事実ですか?」

 直接、それを聞いてくるなんて、りく君が応えるわけがない。


 そう思っていたのに、りく君は顔色も変えずに、

「本当ですー」

 と、応えた。

 それを聞いて、マスコミはザワザワと騒ぎ立てた時だった。

 りく君のマネージャーが、一足遅く、りく君の前に立ちはだかった。

「すみませーん!!りくは仕事がありますので、ここで失礼します!」

 マネージャーが、マスコミからかばいながら、何とかりく君を車に乗せた。

 それでもまだ、マスコミはりく君の後を追って行く。

「どんな理由で婚約解消したのかな?西本穂乃花が原因!?」

 車が、発車するまでマスコミのしつこさは、半端じゃない。

「仕方がない。写真に写っていた子に直接、聞くしかないかー」

 独りのおじさんが、大きな声で言っているのが聞こえてきた。


 まだ、居座るつもりかー。


 あたしは、がっくりと肩を落とした。


 仕方ない。マスコミがいなくなるまで、校舎裏で時間つぶしてよう……。


 あたしは、重い足取りで、校舎裏へ向かった。