フィンセはナンバー1


 あたしは、文化祭に出られないことを打ち明けた。

「何、それ!?せっかく、りくに着てもらおうと、作った衣装も無駄にしちゃったのに、今度は、琴音まで出られないわけ?」

 未来は、深い溜め息をつく。

 文化祭の話をしていた時、未来が元気なかったのは、りく君に衣装を着てもらえないからだったんだ……。


「仕方ないよー。まだ、マスコミも張ってるし……。これ以上、騒ぎを大きくさせたくないんだよ」

 あたしは、暗い顔で言った。

 本当は、文化祭に出たい。でも、みんなに迷惑はかけられないよー。





 帰りの下校時間になっても、まだ、しつこくマスコミが正門の所をうろついていた。


「まだ、いるのかー」

 昇降口まで来たものの、あたしは外に出られないでいた。

「どうしよう……」

 昇降口で、オロオロしていると、りく君がマスコミの方へ向かって歩いているのが見えた。

 りく君ー。今、行ったら……質問詰めにあっちゃう。

 あたしは、ハラハラしながら、りく君を見つめた。

 すかさず、マスコミが、りく君を囲むと、カメラが向けられた。

 あたしと未来をインタビューしたアナウンサーが、りく君に聞いた。