「佐野くん。サイコパスだねー。」 「そうかな? でも、死と愛とで対比してるでしょ? 霊安室でキスをするって。」 「それって地獄で天使と出会うみたいなこと?」 「ああ、そんな感じ。」 「佐野くん、やっぱりサイコパスだよ。」 私は佐野くんに身体を預けた。佐野くんの胸の鼓動が耳に伝わる。 とくんっ、とくんっ、とくんっ。 私の胸の鼓動と、重なり合って、それぞれが共鳴し合うカッコウのように。 とくんっ、とくんっ、とくんっ。