私は処女だ。

櫻子や優香からは「紗栄子はどこか冷めている。」と常日頃から言われていたし、『サエコ・ロワイヤル』なんてものが開催されるくらいだから、私を好きな人なんてのもいなかった。

魅力がないのだ。

目は奥二重で見た目は一重できつい。鼻は貧相でキュウコンのような形をしている。口は分厚く、ぼってりとしていて、髪の毛はまるでひな人形の髪の毛のようにツヤがなく、黒い。胸もBカップで大きくないし、やせ細っていて、不健康そうな身体をしている。

自分でここまで酷評ができるくらいだから、周りが見ればよっぽど魅力がないのだろう。

佐野くんはそんな私をどうして好きと言ってくれたのだろうか。聞きたくても死んでいてもう聞けない。

まあ、そんな私だから当然男の子と一夜を共にしたことがなく、お父さんがいなかったこともあり、男の子の裸というものを見たことがない。