「紗栄子聞いてる?」

「え? わっ! ごめん。なんだっけ?」

「だーかーらー! なんでなでっこは私刑にならないかって話。」

ああ、そうだった。そんなどうでもいい話だった。

「単純に知名度が低いからじゃない?」

そう答えると、優香は待ってましたと言わんばかりに人差し指を左右に揺らした。

……うざい。

「実はねー、なでっこは会員制なのよ。」

「会員制? なんだ、お金かかるんだ。」

世も末だな。愚痴を書くのにお金払うなんて。

「いやいや、無料なのよ。無料会員制。」