金子の言うことは尤もだ。 あの櫻子と優香を恨んでいる人なんてそりゃ、いるだろうけど、殺したいほどだろうか。 「それって誰なの?」 私は興味本位で聞いたが、金子は「依頼人の情報は口外しない。」と冷たく返した。 「それじゃ、あんたは結局何がしたかったわけ? 自分が殺し屋ですって私に告白したかっただけ?」 「そうじゃない。ただ……。」 「ただ?」 金子は雑誌をパタリと閉じた。 「……自分で自分を殺したがっているのかもしれない。」