静まる戦場
向かい合わせの男2人 両軍最後の兵
此方…風林火山の紫蘭
彼方…剥奪の瑪瑙
 どんな敵も恐れはしない 我は【紫の国(アメジスト)】黒檀の紫蘭!
 友の過ちを正すのも友の定め 我は【月光の国(ムーン)】 白玉の瑪瑙!
二人の戦は一晩続いた…
気づけば朝 先に膝をついたのは紫蘭 瑪瑙に五感を奪われ首を斬られる…後に彼らの戦はオセロと呼ばれるようになる。
 
「そんな話がこの国には伝えられてるんだ。ミオ、少しはこの国についても学んでおいたらどうだ」
「うん、で、その二人の男はどうなったの?」
「たしか…この戦いは二つの国の終焉と一つの国の誕生日。この【永久中立国】が生まれたみたいな事が書かれていたと思う」
「思うってクチナシの記憶力は一番なのにその話をあまり覚えてないの?」
「すまないが、そうみたいだ」
「んー…」
 少年、クチナシに膝枕され話を聞いている獣人の少女、クチナシの親友、ミオ。
「どうした、続きが気になるのか?思い出したらまた話す。今日はもう寝よう」
「うん!約束だよ」
 クチナシは自室への戻る。
「おやすみ…クチナシ…」
これがここでの生活の最後になるなんて…。