「チルフィン王子、国王がお呼びでございます」



俺の信用している人とは別のメイドに呼ばれる。



俺は軽く手を挙げ、今行くと言った。



国王が俺を呼ぶなんて、滅多にないものだ。



扉をバタリと閉めて、赤い廊下を歩き出した。



「よおチルフィン。お前も呼び出されたのか」



1階に着いた時、兄であるサンダーが話しかけてきた。



「は、はじめまして…!マリア・クルスです。マリアと呼んでください」



そこには噂の恋人もいた。



深々と礼をし、俺に挨拶したのは兄の恋人のマリアさん。