透き通ったピンク色が綺麗で、しばらく眺めた後に口を付けてみる。
「……美味しい」
はっきりと桃の味がして甘いけど、レモンと炭酸の爽やかさで後味がいい。するりと喉ごしもよくて、美味しいジュースなんだな、ってすぐに飲みほした。
すると、不思議なことにカアッと顔が熱くなった。……熱い。おかしいな? お風呂から上がったみたいに身体が火照ってきた。
「……熱い」
コートは脱いでたけれど、それでも足りなくて。ジャケットの前ボタンを外して脱ごうとすると、なぜか氷上さんに止められた。
「鵜野さん! どうなさったんですか!?」
「へ……あ、あついです……」
「なんか、カクテル飲んじまったようだぞ」
結城さんがそう説明すると、氷上さんは額に手を当ててため息をつく。
「……わかりました。少し酔いざましに外に出ましょう。立てますか?」
「……ひゃい」
氷上さんが私の腕を取って立ち上がると、お座敷のかまちから降りて私の靴を揃えて履くのを手伝う。
「ちょっとだけ出てきますね」
「お~」
結城さんは軽く手を挙げると、また気に入ったお酒を口にした。
ふわふわの気分で氷上さんに手を引かれてお店の外に出ると、3月のひんやりした空気が火照った頬を冷やして気持ちよかった。



