あなたのヒロインではないけれど






「ユーミ、ユーミ! アニメ化決まったヨ!!」


午後、さっそくSS社に出向いた私を迎えてくれたのは、ネイサンさんの熱烈な抱擁……の前に。氷上さんが彼の顎を拳でぐりぐりして止めた。


「ライアン、鵜野さんに馴れ馴れし過すぎだ」

「No~心外デス。ボクはユーミとフレンドリーにしたいダケ」

「なら、壁とでも抱き合ってろ」

「いいデスネ!どんな壁ともFriendになってミセマス!」

「……いい、そんなおまえに言ったオレがバカだった」


相も変わらず漫才のようなテンポのよい二人のやり取りに、緊張が緩んでホッとできる。


(そういえば……二人はずいぶん親しいみたいだな)


ただの同僚というにしても、氷上さんとネイサンさんの間にある空気はもっと親しげな。気心が知れたもの。


ネイサンさんはSS社のアメリカ法人からやって来たと言うし、アメリカにいた皐月先輩……今の氷上さんと。もとから知り合いかなにかだったのかも。


それより、と私はビックリなニュースがにわかには信じられなくて、ネイサンさんに訊き返した。


「あの……アニメ化って。ほ、本当なんですか?」

「Really? もちろんサ! 朝7時からの子ども向け番組の、5分枠のショートアニメだけどネ。帯番組だから、平日は毎日放送されるヨ!」


ネイサンさんがグッと親指を立ててウインクをする。


「スポンサーはSS社とミラージュ本社だヨ。だから、GOサインが出たんだ」