「あらあら。氷上、鵜野さんに何をしたの? ずいぶん真っ赤じゃない」
「少し外でお待たせしてしまいましたから、冷えたのかもしれません。体調は大丈夫ですか?」
仲田さんに咎められた氷上さんは、改めて私を気遣ってくれたけれど。顔が赤いのは私の勝手な心の動きだから……そんなふうに心配をさせてしまうのが申し訳なくて。
「あの、た、体調は……大丈夫……です。その……ご、ご迷惑をお掛けして……すみません」
ペコリ、と頭を下げると。仲田さんが小さくため息を着いて氷上さんに指示を出した。
「氷上、ココアでも作って来てあげて。あ、私はブラックコーヒー」
「そんならオレはコーヒー牛乳な」
「ボクはアフタヌーンティーを……ブランデーとマシュマロ入れてネ」
最初は仲田さん、次が結城さん、最後はネイサンさんで。みんなてんでばらばら好き勝手に言い放題なのに、氷上さんは苦笑いしただけで「了解」と返事をしてから出ていった。
「あ、私も……」
お茶を淹れるなら手伝わなきゃ、と彼の後に続こうとすれば仲田さんに腕を掴まれた。そして、そのまま連れて来られたのは長机の一角。折りたたみ椅子に座らされ、周りに仲田さんや結城さんにネイサンさんが腰を下ろす。
小さな会議室のような小部屋は、ホワイトボードや大型のテレビがあって。壁や床はコンクリートのせいか、あまり温かみのない無機質な印象を受けた。



