あなたのヒロインではないけれど




「なんでボクはユーミと居ちゃイケないの?」

「な~に言ってんだ。日米間の交流を深めようとしてるだけだろ~」

「No~ヤメテー! ボクはゲイじゃナイ!!」


体格のいい結城さんがなぜかネイサンさんに抱きついて離れず、今までずっと一緒に行動してたらしい。


仲田さんは仲田さんでずっとサル山を観察して楽しんでたらしい……彼女は人間の男性にいろいろと思うことがあるようです。


何だかんだと楽しんで、気づけば日が傾く時間帯。そのまま解散ということになったけど……なぜか、結城さんがやたらと私を氷上さんに送らせようとした。


「スカウトしたヤツが責任を持って当然だろ」

「なに言ってんの。男はみぃんな単純で、送りオオカミになる可能性が高いから。野獣にこんな可愛い子を任せられるわけないでしょ」


結局、仲田さんの車で送ってもらうことになったけど。氷上さんが見送ってくれる時、何か言いたげだったのか気になった。


「……で、今日は楽しめた?」

氷上さんが気になってぼんやりしてたからか、運転席からの問いかけに直ぐに反応できなくて。数秒経ってからやっと答えた。


「あ、は……はい! とても……楽しめました」

「そう……」


信号待ちで仲田さんはダッシュボードからシガレットケースを取り出すと、一本口にくわえる。なぜか「どうぞ」と勧めてくるから断れば……仲田さんに笑われた。


なぜかと言えば、彼女が取り出したのはシガレットチョコレートだったから。


なぜ……タバコでなくチョコレート……。