「このバカ! どさくさ紛れに鵜野さんに抱きつこうとするな!!」
「No! 心外デス~単なるスキンシップのひとつでス」
「なら、毒蛇のいるエリアに放り入れてやるから、コブラ相手に好きなだけスキンシップでもコミュニケーションでもしてろ!」
「いいですネ! 毒入りのキスはまだ経験ありませんからとてもエキサイティングデス!」
「……訊いた俺が間違ってたよ……」
相変わらずポンポンと飛び出す面白いやり取りに、最初は呆気に取られても次第に笑いが込み上げる。何せ二人ともモデル並みの美形なのに、お笑い芸人かと思うくらいの可笑しい会話を繰り広げているのだから。
周りにいた家族連れやカップルも、クスクス笑いながら二人を見守ってる。
「やっぱりあの二人はああでなきゃね~」
広場には2人ほどの人が先に待っていて、その内黒髪をひっつめて上下グレイのパンツスーツを着た女性が、呆れたようなため息を着きながら苦笑してた。
「だな~何だかんだ言って仲がいいってことだ」
明るい髪色をつんつんに立ててセットした、氷上さんよりやや年上っぽい男性は面白がるような笑顔で二人を見てる。背丈は氷上さんより少し高めで、がっしりした体格をしてる。威圧感を感じて、情けないけど膝が震えてきたけど。
そんな私に気付いた男性は、向こうから声をかけてきてくれた。
「お、君が噂の結実ちゃんか。初めまして、オレはSS社商品企画部主任の結城 知之(ゆうき とものり)。コイツは総務の仲田 美子(なかた よしこ)だ。よろしくな」



