また、まぶたを挟んだ。
「痛い……」
「え、コレもダメか。え~それじゃあビューラーはやめとくか」
とあるスーパーの化粧品売り場にて。専門の美容部員さんもいる本格的なそこで涙目になった私は、ため息を着くしかありません。今日は私のまぶた受難の日。朝はアイプチで刺して、今はビューラーで何度もまぶたを挟んで。
さすがに付き合ってくれてる真湖も、笑顔がひきつってましたよ。
「ビューラーがダメなら、まつ毛はマスカラで何とかするしかないわさ。付けまつ毛までは嫌っしょ?それか、まつ毛用のホットカーラーも家電店で売ってるけど」
「……ま、マスカラでお願いします」
まつ毛メイクひとつで立て板に水のように話され、キャパシティオーバーの私の頭は爆発寸前。
メイクって奥が深すぎて……みんなすごく努力して勉強もしているんだなぁって、感心したりもしたけど。
自分も合うメイクを探さなきゃ、と何とか気合いを入れ直した。
「ええと……マスカラにアイブロウに、アイシャドウに、チークに、アイライナー、ファンデーション。化粧下地に、口紅と、それから……グロスとコンシーラーと」
真湖が美容部員さんと一緒にずらずら並べ立てたものを見て……気が遠くなりそうに。
お値段も……今月のお小遣いの何分の一かが吹っ飛んでしまいましたよ。
「真湖……後でチョコバナナクレープおごってね」
涙目ながら私が笑って言えば、なぜか真湖は「イエッサー!」と敬礼した。
後で聞いたところ、この時の私の笑顔がものすごく怖かったらしい……気のせいでしょう、うん。