呆気に取られた、としか言いようがない。
気が進まないまま氷上さんと会うと、一緒にいたのが金髪のアメリカ人さん。しかもずいぶんとフレンドリーで、私を若草物語のベスと喩えてべた褒めしてきたんだから。
「…………」
あまりに目まぐるしい展開に固まっていると、氷上さんがネイサンさんを小突いた。
「おい! 彼女はおまえみたいにオープンな性格じゃないんだ。もっと抑えろ。第一ここは日本だぞ」
「Sorry! CuteなGirlを見ると、ついつい……ね」
「ついつい、じゃない! 会う女性全員に会う度にちょっかいかけるな! 苦情が殺到する俺の身にもなれ」
「OH……それは心外ネ。ボクにとって、全ての女性は世界を照らす太陽。美の女神ヴィーナス。年齢や外見なんて問題ないヨ。女性はそれだけで素晴らしい存在ナンだから……」
「だ·か·ら! その節操の無さをやめろ! おまえに惚れた女が列をなすのをさばくのにどれだけ時間が無駄になると思ってるんだ」
「Help! HelpMe.痛いよ、タカアキ!」
氷上さんがネイサンさんの鼻を摘まんで引っ張ると、ネイサンさんは涙目で大げさに両手を挙げる。
あまりにコミカルなやり取りに、緊張なんてどこかに吹っ飛んで。思わずクスクスと笑ってしまいました。



