「君がくれた……このストラップがずっと支えになってくれていたんだ。どんな辛いことがあっても……君がそばにいてくれる気がして頑張れた」
貴明さんが取り出したスマホには……まだあのストラップがついていて。更に受賞よりも信じられない思いだった。
「気づいて……いたんですか?」
恐る恐る訊ねると、ああと貴明さんは頷いた。
「君があの……ゆみが家に招いた女の子ということは最初から気づいてた。あの一度きりだけでなく中学の入学式でも……憶えていたよ。
だけど君がつらそうだったから……ぼくから話しかけるのは躊躇われた。迷惑がられると思って」
既にあの女の子だと解っていたなんて……私の苦労は一体と落ち込んでいると。貴明さんはクスッと笑う。そんな些細な表情もドキドキさせられるから悔しい。
「君がどんどん綺麗になって……ライアンや他に男がいると勘違いして……どうしようもなく怒りを憶えたり焦りを感じたよ」
「え、そんなひといません」
「解ってるよ。たまたま君を送ってきた男性はお兄さんなのだと今では知ってる。けど……それでも羨ましい気持ちはあった。君には送迎をいつも断られていたから」
思わぬ貴明さんの気持ちに、目を瞬いていると。彼はふと真面目な顔つきになる。
「……それだけ君に深く惹かれてた。無くしてから気づくぼくは愚かだったけれど……もう二度と失いたくないんだ」



