さぁっ、と風が吹き抜けて木陰を揺らす。しばらく経ってから私の出した結論を、真湖は「そっかぁ」と呟いた。
「一生に一度きりの恋……か。いいんじゃない? あんたらしいよ」
普通なら無理にでも忘れろ、男ならいっぱいいる。新しい幸せを捜せ――と言うだろうに。とことん甘い真湖は、あくまでも私の理解者で味方だった。
「うん、いいんじゃない? そういうのもアリだわ。それがあんたの決めたことなら……それで幸せなら、あたしだけは認めるから」
それでもやっぱり内心はちょっぴり複雑なようで、一生懸命遊ぶ娘を見ながら苦笑いを浮かべた。
「……大丈夫。寂しくないようにいつまでもみんなで会いに来るからさ。子ども達の相手でもしてやってよ!そうだ、時たま子ども達を押し付けて楽しちゃおうかな~?」
「ええっ!?何ですと~」
お互いに顔を見合わせながら笑いあったけど。
そんな風にわざと明るく言う真湖は、きっと私が一生結婚もせず子どもも持てないことを察して。ならばせめて、その代わりにと自分なりに慰めてくれているんだと思う。せめて……子育ての幸せを少しでも味あわせようと。
そして、ずっと独りで生きていく心配も。子ども達と繋がりを持たせてどうにかしてあげよう……そんな思いが籠ってた。
(ありがとう……真湖。心配掛けてごめんね)
唯一無二の親友の気持ちに、涙が出そうになった。



