翌朝ミラージュN支店の店内で。急にカフェ担当の二人が休んでしまったため、どうしても店長一人だけでお店を回すのは無理があり、カフェで2時間だけのヘルプを依頼された。
もともとカフェは好きで手伝っていたし、午前中の2時間だけなら一人でも何とかなる。急いで支度をして10時の開店と共に、厨房と接客とレジをこなす。
カフェのメインはランチタイムだから、午前中は来客も疎らで数人のお客様が来る程度。しかもほぼ顔馴染みだから、待っててくれるゆとりもある。
何とか12時のランチタイムまで一人でこなし、遅番のカフェ担当者が出勤してからようやく交代し、息を着いた。
「ごめんなさいね、せっかくのお休みなのに。鵜野さんでないと一人で回せる人はいなかったから」
店長がものすごく恐縮するけれど、私は気にしてませんと笑う。 だいたい、店長だって雑貨店の方で大量の注文が入り、ラッピングだの何だのでてんてこ舞いだった。
「いえ、頼りにしていただけて有難いです」
「ごめんなさいね。お詫びに明日は3時上がりでいいから」
「え~それは嬉しいですね」
思わぬご褒美に、思わず心が軽くなる。最近は残業で帰宅は夜の10時過ぎてばかりだから、久しぶりに好きなことができそうだ。
思いっきり笑顔になった私に釣られたのか、店長がふふふと笑う。



