しんみりしているうちに、スマホにメッセージが入る。それを開くと、真湖からだった。
【娘がまた結実お姉ちゃんに会いたいってうるさい。今度の休みに押し掛けたいから、スケジュール教えて】
この前会ったばかりなのにな……と苦笑いが浮かぶけれど。幼い子どもに好かれるのは悪い気はしない。
【ちょうど明日が休みだからいつでもどうぞ。だけど、あなた妊娠中なんだから無理はしちゃダメだよ】
【なに、大丈夫だって! せっかくダンナの転勤で同じ県内にいるんだから。愛しの親友に会えるなら1時間の運転くらい、軽い軽い。じゃあ、また連絡するね】
明るいさばさばしたらしいメッセージに、つられて笑顔になる。
真湖の娘である真弓(まゆみ)ちゃんは今3歳。二人目を妊娠中の真湖は子育てが大変だろうに、私を気にかけてしょっちゅう会いに来てくれる。
真弓ちゃんは私が作るぬいぐるみが大好きなようで、“ぬいぐるみのお姉ちゃん”と呼んでくれる。母親の真湖より父親似のようで、おっとりした可愛い女の子。
ついこの前生まれたばかりと思ったのに。会うたびにその成長ぶりに驚く。この春から幼稚園に入園するから、きっと今のうちと真湖も会わせてくるんだろう。
(真弓ちゃんの入園祝いを考えないとな)
そう考えていると、ふと思う。
5年――
あの別れから5年以上の年月が経って。過ぎた時の速さをしみじみ感じた。