それと、と私は皆さんに手編みの小さな膝掛けもプレゼントした。ここは相変わらず冷えるから。 首に巻いてもいいし、膝掛けにも使える。
「あら、そこまでしなくても良いのに」
マシュマロを溶かしたココアでフロランタンを食べる仲田さんは、唯一私の事情を知っているからか。複雑な笑みを浮かべた。
「無理はしなくてよかったのに。全員ぶんなんて。ずいぶん時間も掛かったでしょう?」
「いえ……今年はほんとうに皆さんにはお世話になりましたから」
私がそう告げると、ネイサンさんが「ボクもだよ!」と私の肩を叩いてきた。
「ユーミ、すごくポカポカあったかいよ! ThankYou」
「い、いえ……」
ネイサンさんは近ごろ本当に明るい笑顔を見せてくれるようになった。もしかするとゆみ先輩のことが少しは吹っ切れたのかもしれないな。
私に対しても。もうわだかまりは無いのか、生来のフレンドリーさで接してくれるから。最後の最後で氷上さんの憂いを取り除くことができて、ほっとした。
「来月も、来年も。ミンナでFight! ダヨ ユーミ」
肩を組んできたネイサンさんに圧倒されながら、私は曖昧に笑って返事を避けた。
(ごめんなさい……もう私は来月から居ません。どうかみんなで頑張ってくださいね)
心の中で謝りながらも……とうとう氷上さんの方を見る勇気は出なかった。



