「……よかったら、休憩のおやつにどうぞ」
「え~なになに? 開けてもイイ?」
仕事場に置かれた紙箱にネイサンさんは興味津々の様子で、私はコクコクと頷いた。
「は、はい。どうぞ」
私がOKを出すと同時に、ネイサンさんは紙箱を開いて「ワオ!」と感嘆の声を上げた。
「Great!! タカアキ、お菓子ダヨ! とっても美味しそうだ」
「あら、ほんとね」
甘いもの好きな仲田さんも興味が湧いたのか、紙箱を覗き込んできた。
「キャラメルフロランタンか……もしかして手作り?」
「はい」
私がうなずくと、仲田さんは目を輝かせた。
「じゃあ、早速いただきましょ。知之、お茶買ってきて」
「は? 何でオレが……」
「さっきからうろちょろするだけで邪魔。それくらい役に立ちなさい、はい千円。みんなの飲み物も買ってきて」
仲田さんはリーダーのはずの結城さんを使い走り扱いしてたけど。確かに結城さんはそわそわ忙しなかった割にはほとんど仕事してなかったもんな……と他の人から苦笑いが漏れる。
……きっと明日のクリスマスイヴが気になっているんだろうな。
イヴの明日は土曜日……仕事がお休みだけど。
27日の仕事納めより前に、私はここを辞める。つまり今日は最後の出勤で……みんなにお別れとお礼を兼ねてキャラメルフロランタンを焼いてきた。



