あなたのヒロインではないけれど







「あ~決まらない……ね、結実どうしよ~」


駅前通りのブティックで眉を下げた真湖は心底悩んでるみたいで、既に何着目かわからないドレスを着て試着室から顔を出した。


今日は真湖のお買い物にお付き合い中。昨日メッセージで「Help!クリスマスデートの服が決まらない」と来たんだ。


「やっぱ白が無難だけど……たまには女の子らしくピンクも着たいよね。だけど、あんまりヒラヒラは嫌だし……かといってシンプル過ぎるのも華がないし」


悩む真湖はクリスマスイヴ用のデートの服を物色中。やっぱり一流ホテルのレストランだからか、気合いの入れ方が違う。


プロポーズという大切なイベントで、一生に一度の思い出になるだろうから……。


大切な親友の幸せを願いたいから、私もない頭を振り絞ってアドバイスをした。


「真湖はスタイルがいいからシンプルなのがかえって良いかも。華やかなショールかボレロを羽織ったり、アクセサリーでいくらでも調整できるし」

「そ、そうだよね。やっぱしそれがいいよね……じゃあこれ。げげっ!ご、59800!?」


目玉が飛び出すわ~と呟きながら、合わせる小物を選びだす真湖は幸せそうだ。


やっぱり……こんな大切な局面を迎える友達に心配はかけたくない……。


(ごめん、真湖……何もかも落ち着いたらちゃんと話すから……)