「いきなりなんだよ」
書類をどっさり持ってきた結城さんが、眉を寄せながらネイサンさんに訊ねる。
「何って、クリスマスダヨ! せっかくのクリスマス! みんなでパーティーしようヨ」
ネイサンさんが両手を広げて主張すると、後から部屋へ来た仲田さんがため息を着いた。
「小学生みたいなことを言わないでよ……クリスマスも仕事でしょう」
「デモ、夜はFreeダヨ!」
「そうだな。せっかくこのメンバーで集まったんだ。思い出作りもいいかもなあ……」
なぜか、結城さんはチラッチラッと仲田さんを見ながら大きな声で言う。一方仲田さんがパソコンのキーボードを叩き続けながら、「あいにく予定があるわ」と言うと。結城さんはあからさまに影を背負ってた。
「中学からの友達と女子会だけど」
仲田さんの予定が判明して、結城さんは直ぐ様復活した。
「な、なぁ美子……い、1日くらいは飯を食いに行かないか?」
「…………」
「美子さ~ん、美子様? お~い。聞いてますか~?」
「……うるさい」
完全にスルーされてもめげない結城さんはすごいけど。私は氷上さんの視線を感じてギュッと胸元で手を握りしめた。
(ダメだ……氷上さんが何のつもりか知らないけど。もう私は彼と会わない方がいい)
たとえ私を評価してくれてはいても……あくまでも仕事仲間としてだ。所詮それ以上にはなれないのに、期待をしてまた思い出を重ねれば虚しいだけ。
だから、私はネイサンさんに告げた。氷上さんを意識しながら。
「……ごめんなさい、私も予定があります。なので……すみません」



