いつの間にか仲田さんも寝入ってしまったようで、静かな寝息が聞こえてきた。
フカフカのラグの上だし、断熱性が高い床だから。冷えすぎることはない。彼女にもブランケットをかけて、ホッと息を吐いた。
……みんなは泊まりになるだろうけど。私は帰ろう。
そう思って立ち上がると、ソファに掛けていた上着を手にしてダイニングを出ようとしたところで――氷上さんとばったり会った。
「あ、私は帰りますね……おやすみなさい」
ペコリと頭を下げて横を通り過ぎようとしたのに、なぜか腕を掴まれて止められた。
「なぜ? こんな夜中なんだから、泊まればいい」
「でも……家に連絡してませんし。それに、私まで泊まったらご迷惑でしょう? 大丈夫です、ちゃんと帰る手段はありますから」
ここからなら、歩いてでも帰れる。そういうつもりで言ったのだけど……どうしてか、氷上さんの声音が低くなった。
「……迎えのあてがあるから?」
「え?」
「君を、迎えに来るヤツがいるから?」
「……やつって?」
一体、誰のことを言ってるのだろう? 意味がわからなくて首を傾げると、氷上さんが唸るように呟いた。
「……ライアンとも、ずいぶん仲がよくなったんだな」
「は、はい」
今だ! と私は勢い込んで話をした。ネイサンさんと仲が悪くないアピールをするなら今しかない。
「話してみたら、すごく楽しい人だって解って打ち解けられたんです」



